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ピアノリサイタル

留学時代に私の音大には、藝大を始めとして、ジュリアード音楽院、桐朋音楽大学や国立音大を輝かしい成績で卒業されて、大学院や博士号に在籍されていた本当に素敵な先輩達がいました。

その中の一人で、演奏が素晴らしくお人柄も暖かく、憧れの先輩が、ドイツからリサイタル公演の為に来日され、喜び勇んで行ってきました。

プログラムは
バッハ:パルティータ 1番
シューマン:クライスレイアーナ
ラベル:クープランの墓
ショパン:アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ

はぁ~ ため息が出るほどの難曲ばかり。

粒の立った音、絶妙なバランスの各フレーズの歌い方
圧倒的な技術とそれと感じさせない、おおらかで優しさで溢れた音質
そして、何より、聴き手の心の深いところまで届く、あの多彩なる表現力。

憧れが一層増し、本当に素敵な、幸せに満ちたリサイタルでした。

彼女の音楽が理想です。心の一番深い所にストンと落ちてきて、自然に涙が溢れます。
確たる技術があり、数々の大きなコンクールに入賞してきた経験を持ち、太陽のような明るくて健全な精神力。
学ぶこと、追い求める理想の演奏、数々の事を再確認できた一日でした。

皆様も沢山CD? ユーチューブ?? を聞いてみてください。
今は簡単に聞きたい曲にアクセスできる時代です。
こういう風に弾いてみたいなぁと思える演奏家を見つけること。それも楽しいです。

そして、時々演奏会にも足を運んでみてください。
ライブでしか感じられない何かが確かにその空間にあります。

音楽は空間芸術です。音もその場で消えて行ってしまいますが、その息遣い、観客の心を掴んだ時に始まる
演者と聴衆が共に作り上げていく、あの高揚感。
そこには忘れがたい感動があります。