子どもの成長過程とピアノレッスン

体験レッスンを受けて頂いた生徒さんで「やっぱりちょっと早いかなぁ」とお母様が言われる場合があります。

 

体験レッスンは生徒さんが、どんなレッスンでどんな先生かを見る場ではありますが、講師のほうも生徒さんの興味・発達段階を

見させていただき、これからのレッスンプランを考える大事な場です。

今後のレッスンの中で、より生徒さんの負担が軽く、自然な形でピアノ演奏に結びついていけるように、

それぞれのペースに合わせて教材選びや指導方法を考えています。

 

一般的な成長段階とピアノレッスンの関係を、(個人差はかなりあるので、一概には言えませんが)調べてみました。

特に6歳までは時に月齢によっても、成長段階が大きく違います。

 

聴覚活動は2~3歳に大きく発達しますが、指などの神経は4歳以降に大きく発達していきます。

これは何を示すかというと、3歳くらいまでは、実際にピアノを弾くということよりも、リトミックなど耳や体を使って音楽を楽しむ・感じることが有効で、遊びの中でリズム感や耳の感度を上げていくことが大変重要な時期という事です。

 

5歳前後くらいの身体的にも発達のピークを迎える時期には、より子どもの負担を軽く、楽しく楽器を習い始めることが出来ると言われています。

 

 

先日導入期の幼児ピアノ教育についてのセミナーを表参道で受けてきました。

 

全国からピアノの先生たちが飛行機や新幹線で集まり、小田急線で20分でついてしまう私は、近くて申し訳ない気持ちでしたが

先生方の勉強熱心な姿勢と意欲に、沢山学ぶことがありました。

 

その中で、

・脳のHQは5歳がピークに発達。

・脳の成長は2~3年生までに95%出来上がっている。

・ピアノを弾く作業はHQを発達させるのにとても良い。

・右脳(想像、空想)と左脳(語学、記憶)をバランス良く使って行くので、脳の器が大きくなる(脳量が太くなる)。

 

ピアノを始めるのには本人の「やりたい」気持ちが大切で、それが小学生でも中学生でも、また大人であっても全く構わないと思います。

ただし、音楽への興味関心の度合いや自発的なピアノ奏法への技術の発達段階と、先述した脳への発達を考えて、最大限よい条件をそろえるとしたら、やはり4~5歳前後であると、「おかあさんと教師と子供のいきいき音楽体験 楽しい街のピアノ教室」平岡あやこ著 でも述べています。

下記の表をご覧ください。年齢の特性がよくまとまっていて興味深い表ですよね。

 

ピアノ教室アンダンテでは

4歳まではソルフェージュや歌、動きを楽しみながら自然にピアノへ移行できるように。

6歳からは譜面を読むこと、指の正しいフォームで、スムーズに動かせるように指導していきます。

レッスンの為の発達判断基準表

  声・思考 運動能力
0歳 物体・色別判断 音の判別 泣き声 にぎにぎ
把握反応
寝返り
はいはい
1歳 早い動きの物の判断 声・リズムの判別 擬音
はい・いいえ
親指・人差し指の独立 歩行が出来る
2歳 平行線の判断 音高・音色の判別 外語の獲得
単語の羅列
五指の独立 一人で高い所から
降りることが出来る
3歳 物の幅の判断 メロディの判別 会話の獲得 鉛筆が持てる ジャンプ・けんけんが
出来る
4歳 空間の把握 リズムパターンの判別 音の高低が分かる 丸を書ける 鉄棒で前回りが出来る
5歳 音符の区別 和音の区別 自分と他人の区別が出来る 線の間に音符を入れることが出来る スキップが出来る
6歳 五線の理解 伴奏・メロディの区別 5階~オクターブの音階が歌える お箸を持てる なわとびが出来る

 

1991年発行 「おかあさんと教師と子供のいきいき音楽体験 楽しい街のピアノ教室」平岡あやこ著 より 抜粋