2020年。コロナで多くのコンクールが中止または動画審査となってしまいました。
いつも感心するのは当教室に通って下さるほとんどの生徒はとっても向上心があり、「ピアノが楽しい・もっとうまくなりたいと」意欲的に取り組んでくれています。
そこで。今年は緊急事態宣言下でもオンラインでレッスンを継続していたやる気のある生徒さんの中からコンクールチャレンジが出来そうな年齢の生徒達に
「動画審査ならお家から映像を送るだけだし、やってみないか」と声をかけてみました。(まぁお家時間はたっぷりありますし。。)
「うちの子がコンクールですか? 考えてみたこともない」と保護者の方が仰るのですが生徒本人は「やってみたい!面白そう」と
他にも習いごとや塾など忙しい時間をやりくりしてコンクールにチャレンジすることにしました。
それからは集中して、本当に細かく丁寧に奥まで掘り下げて練習を重ねて皆さんそれぞれに満足のいく結果を得ることができました。
講評も頂けて、私の指導と同じ部分が指摘されていたり、良い部分が褒めて頂けたり。本人たちには貴重な経験になったようで、ピアノへのモチベーションも上がった様子です。
本選は会場で弾くことが出来、他のコンペティター達の演奏に大きな刺激を受けたようで。
そして!「来年もチャレンジしたい」と伝えてくれました。
~~いい経験になったのかしら? それなら本当に嬉しいわ~~
ここで、改めてピアノ学習者にとってのコンクールの意味を考えてみます。
この部分を保護者や生徒と共有しておくことが大事だと思います。
とても優秀・有望で将来音楽の道に進みたい生徒が本気で挑むコンクール。素晴らしい賞を頂けて次に向けてステップアップしたり、審査員側が将来性のあるピアニストを発掘する目的もあると思います。もちろん素晴らしい賞を頂ければそれはピアノへの自信に繋がり、純粋に大きな喜びに繋がります。
私の生徒さんも今回、出来ることからしっかり準備はしたけれど、入賞までは期待していなかったのに「賞」を発表で知ると本当にびっくり。
「楽しかった」
「練習は大変だったし緊張したけど、また来年挑戦したい!」
「親子ともに一つのものに向かって一緒に努力できた良い時間だった。本番が終わるまでは大変でしたが、大きな会場で演奏できる貴重な機会だった」
「またチャレンジしたい」
「先生のご指導がなければみることさえなかった世界でした。ハイレベルのお子さんたちと同じ舞台に立つことが出来るなんて夢にも思わなかった。
こどもの良い所をに見つけて伸ばして頂き感謝しかありません」
「審査員から直筆の講評を頂き良い経験でした。コンクールに向けて日々練習したことはその後の練習意識に繋がったと思います」
~~前向きなご意見を伺えてやって良かったなぁ。予選全員もれなく通過できて私もほっとしたよ~。入賞出来て良かったなぁとしみじみ。
保護者の方からも勿体ない感謝のお言葉も頂き、私もとてもやりがいのある指導時間でした。~~
ただし、多くの参加者が入賞できるわけではありません。
結果に重点を置くのではなく、プロセスそのもの、つまりコンクール体験に価値があると考えることも非常に大切です。
時間にメリハリをつけて本番までの練習をあきらめずに頑張る力。より深く学ぶことでピアノの面白さに気が付く事。あるいは本番の独特な雰囲気の中、緊張感の中でなんとか弾ききったという自信。結果が不満足なら、その悔しさから繋がる向上心。こんな経験が、ひとまわり大きく成長させてくれることと思います。
それぞれの参加者が、またはその保護者(両親)が、ピアノコンクールに望む前に、そして経過の中で、どのような意義を見出すのか、または本人にどう自覚させるのか。結果を問わず、コンクール体験をすばらしいものにできるかどうかは、どれだけ頑張った自分を(子供を)認めて褒めてあげられるか。この滅多にない貴重な経験を楽しめるのか。
そこにかかっていると思います。
さぁ 来年!
私もしっかり課題曲を掘り下げて研究しておかないと!