教室の生ピアノ率

教室を立ち上げたときに一番悩んだことが、生徒さんのご自宅の練習楽器。

以前は出張レッスンがメインだったため、ご自宅に練習楽器が無い、ことは有り得なく、

生徒さんによって、グランド、アップライト、電子ピアノと練習楽器も様々ですが、ご自宅で練習できる環境はこちらが言わずとも初めから整っていました。今はピアノが無い状態からスタートされる方もいらっしゃいますが、1ヶ月程度で必ず練習楽器をご用意頂いております。

 

ちょっと数えてみたら、実に我が教室の7割弱の生徒さんがアコースティックピアノで練習されていました。

すご~い!! 嬉しいです♪

東京の住宅事情でピアノをご自宅に用意して下さり練習するのは大変だと思いますが、ご理解のある生徒さん達が多く、折角ピアノを持っているのだから、コンクールや素敵なホールでの発表会など本人が輝ける場所を用意・提案していきたいなぁと思いました。

人前で弾くことが上達の近道であり、人前での演奏を楽しめると音楽の共有を味あえて、一人でもくもくと練習しているだけよりずっと楽しいと生徒さん達の活躍をみてて感じます。

 

レッスン、発表会、コンクールでお子さんご本人が「家の電子ピアノとは本物のピアノは色々な意味で違う」と実感したこと

保護者の方が、電子ピアノと本物のピアノは別物だと認識出来ている、等

の表れだと思います。

本物のピアノがご自宅にある生徒さんのレッスンは、ペダルの使い方から腕の使い方まで音質が「透明度が高く、しっかりした素敵な音」を目指してご指導が出来ます。

本人も綺麗な音が奏でられた時はにっこりと嬉しそうにしていて、こんな音が出るなら次にどんな曲を弾きたいかなぁと考えてくれます。

 

勘違いして欲しくないのですが、決して電子ピアノの是非を議論しているわけではありません。今の住宅事情と時代を考えると

最初からアコースティックピアノ方はたまたまご自宅に既にピアノがあった方で、まずは電子ピアノからのスタートが普通だと思っています。

今目の前にある電子ピアノをいつまで、どのように使用するのか、テクニックを音ではなく型として、どのように指導していくのかが課題だと思っています。

 

ただし、やはりスタート時点から練習楽器は必要です!!

 

最近の体験レッスンのご質問で驚いたのが

・折り畳みピアノで上手に弾けます。才能があるか知りたい(5歳)→折り畳みピアノとは?

・ピアニカで練習します→両手になったらお母さんどうするのだろう・・・・(両手になったらお辞めになりました)

・一年間は紙鍵盤で頑張ります。 →何とか説得してそれはピアノでは無く紙だとご理解いただけました((;^_^A)

・電子ピアノでも自宅に楽器があることがリスクになります。→・・・・難しいですね😢。

 

時々頂くご質問

 

🔶生ピアノでないと困りますか? 最初は電子ピアノでも構いません。もちろんどうせなら最初からアコースティックピアノの方が確実に上達します。同時期に始められた生徒さんで、レッスン中も同じようにふわふわしてても、やっぱりピアノの子は綺麗な音を出すことを言わなくても意識して弾いてくれます。ただ最初は音符を学びながら小さな曲を弾いていくので電子ピアノでも困らないです。

 

🔶ずっと電子ピアノだと変な癖がつきますか?

→癖がつきやすい、指が育たないと自覚しながら弾いてもらうことになります。レッスンはグランドピアノですので、お休みされずなるべく本物のピアノに触れて欲しいです。電子だと共鳴などの響きで音楽を作り上げるのが難しいので、どういった癖がつきやすいのか、ピアノと指の強化の違いなど意識して練習の時から気を付けて頂く事になります。上達度は電子ピアノですとやはりその価格帯に関係していると痛感します。

 

電子ピアノでピアノを頑張っている子ほど「押し込むタッチ」になり勿体ないのですが、でも、ピアノが好きの気持ちを大切に

なんとかその負の部分を解消するように指導していきます。ですので、アコースティックピアノでないとピアノが続けれらないわけではないと思います。ただ、ショパンの革命が将来的に弾きたいなどクラシックが弾けることを目的としていて、しっかりした指と芯のある音で豊かに弾いていくのは難しく、正直電子ピアノの限界があるとは思います。

 

新規レッスンご希望の方は、まず1ヶ月は(本当に続くか分からないと思うので)おもちゃのピアノでもなんでも構わないのですが、それ以降は本物のタッチや音に近いものをご用意頂きますようにお願い致します。

 

最後にピティナHPより電子ピアノとアコースティックについて著名な先生方から文章を転載致します。

 

 

500人もの生徒を抱える大教室を運営する斎藤先生。生徒さんには個々の事情があります。ピアノを習うのであれば「生ピアノ」は必須と考える斉藤先生ですが「電子ピアノ」しか持つことができない生徒さんの事情も汲み取って対応されています。

まず、クラシックのピアノを弾こうという目的があるなら、アコースティックのピアノを持つことが必要だと考えています。お子さんたちはレッスン室で30分も弾けば、美しい音が出せるようなるものです。でも家(電子ピアノ)で弾いてしまうと、手首や腕を使っても音が変化しないので、次のレッスンまでに元に戻ってしまいます。音大のピアノ科を卒業した方でも、電子ピアノしか触れない期間が長いと演奏力が落ちてしまうというケースをいくつか知っています。電子ピアノがピアノの練習に使うとすれば、いわゆる「譜読み」までに留めた方がでしょう。その先の響きを作っていく段階には、やはり対応できません。お子さんが最初に触れる楽器は特に重要ですから、できることなら最初から、アコースティックのピアノで練習していただきたいです。
とはいえ様々な事情により電子ピアノしか持つことができないということもあるでしょう。既に述べたようにクラシックならではの表現を目指すならアコースティックピアノでの練習は必須ですが、電子ピアノしかもっていない子供たちに、レッスンができないわけではありません。腕の使い方など、体を動かす際のメカニズムを丁寧に説明してあげることで、アコースティックピアノに対応する技術を身につけさせることは可能です。
また鍵盤に親しむだけでも、様々な楽器や音楽に対応できるようになります。「ソナチネ」あたりを目標として譜読みできる力を身に着けておけば、広く音楽を楽しむことができるようになるでしょう。ピアノならではの表現よりも音楽知識を身に着けることを重視する内容に変えていく、という選択肢もあるのです。

 

(ピティナHPより)