私は5歳でピアノを始めて、色々な先生に習ってきました。
最初は母親
次は自宅に来てくれる先生
「もっと本格的にピアノを学びたい」と母にお願いして、小学校高学年からは藝大卒の先生に電車でレッスンに一人で通い
「音大を目指してみたい」と言い出して中学に入学するかしないかの時期に当時ドイツから帰国されたばかりで藝大の講師もされているプロのピアニストに師事しました。
いずれの先生も、私や家庭の状況に合わせて、その頃おそらく最適であろう先生方でした。
母はちょっと別として、習いたて最初に出会う先生がとっても大事だと痛感していて、それを肝に銘じて、
「初めてピアノを習う」の導入期の生徒さんには、特に基礎基本が抜けないように、まずは音楽が好きになってくれるように意識して指導しています。
私の場合は、出張レッスンで来て下さった最初の先生は、曲が間違えなく弾けていればどんどん丸をつけて進みました。
指の形も音の出し方も音楽の歌い方も特に何も指導が無かった・・しかも年配の先生で結構怖かった。
クリスマス会でのプレゼント交換など楽しいイベントも沢山ありましたが、何といってもピアノの技術を向上するのは、その子のセンスと
感覚のみで、ピアノの指導としては、レッスンに参加していればオーケー。そんなスタンスでした。
この基礎を確立できる最初の段階が、今振り返ってもちょっと残念な時期でした。
先生が変わると、まずは基礎部分で抜け落ちている所を徹底的に教えて頂きました。
変な癖を取ることは、真っ白なところに新しく学ぶより、ずっと大変で、結構苦労しながらピアノに向き合います。
私のお教室でも他から移ってこられた生徒さんにはまずは楽典的理解の欠落があれば、そこはしっかりとピアノ指導に結びつけながら
指の形、腕や手首の使い方などは大事なテクニックそのものなので、その基礎部分をしっかりと伝えていくようにしています。
私は音楽の道を目指すのではないので、基礎基本を教えなくても良い、とか、まだ小さいからハノンやツェルニーなどテクニックは必要なく、じっくり忍耐強く教えては可哀想、などは思っていないのです。
一番の願いは生徒さんが(大人、子供に関わらず)「レッスンが楽しい、学びが面白い、ピアノ演奏に必要な技術を身に付けたい」との思いに応えたい。だからレッスンに通ってきてくれてると思うから。その為にはどうしても練習は必要になります。
次女が中学受験を終え、いよいよ念願のピアノ教室を自宅に開講しました。
指導からは暫く離れて音大で事務方の仕事していたので、久しぶりのピアノ指導。開講した最初の一年は、「今の子どもたちは昔と違うのだろうか」と、ピアノ講師向けの勉強会に沢山参加して研鑽を積みました。そこで出会う先生方は生徒さん達の進路とは関係なく、演奏力の高い生徒さんを沢山育てていらっしゃいました。指導歴がウン十年と長くても、指導をアップデートするために、常にご自身も勉強を重ねていて、とても素敵だなと思いました。
毎日何時間も弾く事が困難な、現代の忙しい子供たちに合わせた指導法を学び、「全然練習していなくても先生が怒らなくて優しいから楽しい」ではなくて「上手に弾けるから楽しい。表現出来る事ってこんなに素敵なんだ。」と感じてもらえるように育てていきたいと改めて感じるようになりました。その為にピティナステップやコンクールも学びを深めて自己表現できるツールの一つとして希望者には利用して、ピアノの学びを応援しています。
幸いなことに、自宅開講したての頃から、お教室の保護者様はとても温かく、このコンセプトを特に熱弁しなくても、十分に理解して下さり、「ピアノはなかなか奥が深くて面白いですね」と感謝の言葉を下さいます。そこが私のモチベーションアップに繋がってて大変感謝!!
①まずは講師の私を信じて練習してみる(習い事でしっかり吸収するには、この素直さが最も大切です。「あなたの良い所は素直なところね。とアメリカでもスイスでも言われていたことを思い出しました(^▽^)/)
②練習したから上手になる
③上手に弾けるから楽しい、ピアノが好きになる
④楽しいので、更に練習して難曲や憧れの曲を弾けるようになる
⑤難しくて悔しくても、今までのコツコツと練習を重ねる事でちゃんと弾けるようになってきた成功体験があるから
諦めずに目標に向かって頑張れる
この良いスパイラルを積み重ねて、お教室全員がキラキラとしてられるような、「頑張っているからこそ、ピアノが楽しい!」って
思って下さり、考える力や何かを成し遂げる強い気持ちと精神力、自立心を育てていけるお教室でありたいと思います。
そして、1年以上通ってくださっている生徒さん達は確実にそんな風に育っていってくださっています!
これって結構凄いことだと思いませんか?
理解ある温かい保護者の方のサポートと、生徒ちゃんたちの楽しみながら努力する姿勢が本当に嬉しい限りです(^▽^)/